戦いすんで日が暮れても

まもなく70代に突入するおばさんの本音

戸籍がないって?part2

このブログを始めた頃、「戸籍がないって?」の最後に母が号泣した訳はいずれと締め括った。

その続き…

結局、私の入学案内が来ないことを不審に思った母は戸籍謄本を取り寄せる。そして私の出生届けが出されていないことを知る。ところが母にとってもっと辛い事実を知ることになる。

私には10歳上の兄がいる。と言っても母は生後7ヶ月の私だけを連れて家を出たので私が一緒に暮らしたわけではない。それでも母は

「お前のお兄ちゃんだよ。」と繰り返し繰り返し言うものだから子供心に特別な存在として兄を受け入れていたと思う。

ところが母は戸籍謄本からその兄が祖母の養子になっていることを知る。つまり戸籍上、兄は母の弟、私の叔父になっていた。

何でもありの昭和だねー。


母は祖母、叔父夫婦や叔母などなど大家族に兄を託し、家を出ているわけで…。兄はとにかくみんなから愛されていたし、父親の欄が空白の戸籍を心配した叔父たちが相談した上で養子縁組という道を選んだのだろう。

母が私だけを連れて家を出たのだって半端じゃない事情があったのだと推察される。

勿論、許されることではないし、母にしたら身を引き裂かれる思いだったのは容易に想像できる。

その後も深酒すると泣いて祖母たちを責めた。

でも1番納得していたのは兄だったと思う。母を恨みながらも理解をしているふりをしていたんだと思う。

結婚し、家庭を持ち、2人の子供の父親になった兄がお酒の勢いで母を罵倒したと従兄たちから聞いたことがある。

こうして母のことや兄のことを書いているとつくづく戦争の悲惨さを思う。

そうなんだ。家族を壊し人の心を壊す。

その辺りもいつか語りたい。